2019 年 11 月に Google が開催したマーケターの祭典「Brandcast」。広告主、広告会社向けに YouTube の世界観を伝えるこのイベントでは、ユーザーの利用実態や、企業やアーティスト、タレントによる YouTube の活用事例など、2019 年の最新情報をさまざまな角度から取り上げました。
その中から、今回は最新の YouTube ユーザーデータを紹介します。
YouTube ユーザーデータ
(*1)調査資料
(*2)調査資料
YouTubeを利用する 5 つの動機
調査によって、ユーザーが YouTube を利用する主な理由は「身近な娯楽」「暇を豊かに」「プチ挑戦」「『好き』がある」「真実の追求」の 5 つに大別できることがわかりました。
身近な娯楽
“一般人だから、自分でも出来そうなことをやっていることもあるから、それを配信しているのはすごいと思う。親近感というか。自分でやったらどうだろうなとか、考えながらじゃないけど、そんな風に見れる”(女性/24歳/学生)
暇を豊かに
“夜寝る前、眠れないときとかは「何かおもしろいものないかな」って思って YouTube を見たりする。何を見るかは決めていない。その時の気分。一個調べていると、そこから飛んで全然関係ないものを見たりとか。本当に見ているとあっという間に時間が過ぎてしまいますよね”(女性/50歳/専業主婦)
プチ挑戦
“自転車のチェーンが外れた時や、時計の電池を交換したいけどどこに電池があるかわからない時など、YouTube でやり方を調べる。最初は Google とかで検索ワードを掛けるが、文章だとピンとこないことがある。動画だと見ながら真似ができるから、便利”(男性/65歳/退職済み)
「好き」がある
“TV だと ‘商業的にこういう人気を作りたい’ っていうのがあるけれど、YouTube だと ‘本物’ の歌手やアイドルが見つかる。みんなマスメディアの流行に流されちゃっているけれど、自分が本当に良いと思えるものを YouTube で見つけられると嬉しい”(男性/49歳/既婚)
真実の追求
“例えば料理本やレシピサイトにしたって、(情報が)偏るかなって。YouTube のほうが、いろんな人がいろんなことを言っているから、いろいろ観られる気がする。麻婆豆腐にせよ、プロの料理人から、一般の人まで、作る人によってレシピが全然違うから面白い”(女性/25歳/既婚)
記憶に残る動画広告、6 つの特徴
これら 5 つの動機を持って YouTube を利用しているユーザーは、広告接触後の行動にも積極的であることがデータでわかっています。これらの動機を持つユーザーは「記憶に残っている広告」の特徴として次の 6 つを挙げました。
動画広告を制作する際には、これらのポイントを押さえてクリエイティブを企画、制作することで、より効果的な配信が可能になると言えそうです。
ユーザーの動機をうまく捉えた実際の事例
広告主は生活者のニーズに合わせて広告を配信し、一方で視聴者の多くは上で見た 5 つの動機を持って YouTube を利用します。
この両者を結びつけた優れた広告事例を 5 つ紹介します。
身近な娯楽
マウスコンピューター
30 秒の TrueView 広告と 6 秒の Bumper 広告の2種類を制作。有名人の力に頼るだけでなく、モバイルの小さなスクリーンで見る時に重要なクリエイティブのポイントも押さえています。
暇を豊かに
味の素 TRY! 一汁食
野菜、肉、魚、その時自分が食べたいものをお鍋に入れて、味の素の調味料を入れるだけという、「一汁食」と名付けた食提案をしている動画。YouTube の中でも人気のレシピ動画カテゴリーで、若い女性に向けた提案、アフター子育て層に向けた提案としてメッセージを届けて、高い認知度を獲得しました。
プチ挑戦
Schick Japan「Schick」
就活生や新社会人など、自分の身だしなみを考え始めるタイミングのユーザーを中心に、シェービングについての知識、ハウツーをユニークに伝えました。
「好き」がある
サントリー「ジムビーム ハイボール缶」
YouTube でも人気の「スポーツ動画」「音楽動画」を好んで視聴するユーザーに合わせて、ローラさんが「ジムビーム」の飲用シーンを訴求している動画です。
真実の追求
レキットベンキーザー 「メディキュット」
女性の多くが悩みを抱える「足やせ」「足ダイエット」。これらに興味、関心があるユーザーに対して、適切な情報を届けて購入を喚起しています。
Contributor:
YouTube プロダクトマーケティングマネージャー 中村 全信