2021 年 5 月に日本で初めて開催した YouTube の広告賞「YouTube Works Awards Japan 2021」では、2020 年に国内向けに配信された YouTube 広告からエントリーを募集し、各部門賞を選出しました。
また、第 2 回も 2022 年に開催することを決定し、2021 年 10 月 6 日から作品募集を開始しています。Google が開催した広告主向けのイベント「Brandcast(ブランドキャスト)」で発表した「YouTube Works Awards Japan 2022」の概要と、前回の「YouTube Works Awards Japan 2021」で部門賞を受賞した株式会社池田模範堂の取り組みを紹介します。
初開催の YouTube Works Awards Japan には 300 以上の応募
「YouTube Works Awards Japan 2021」には、さまざまな業界の広告主や広告代理店、クリエイターなどから、300 以上の作品の応募がありました。
1 次審査後、ファイナリストの 40 作品を選出。最終審査を経て、7 つの部門賞とそこからグランプリを選出。グランプリを受賞したのは、ナイキジャパンの『Nike Japan - 動かしつづける。自分を。未来を。The Future Isn't Waiting』。YouTube ならではの長尺で完成度の高いクリエイティブや、コメント欄を開放して議論を促した点が評価を受けました。
このほか、YouTube 広告を起点に、広告や広報、SNS を融合したコミュニケーション戦略で、来店意向の向上から販売シェア拡大へとつなげたトヨタ自動車株式会社や、6 秒のバンパー広告で認知率の向上と、サイト来訪を 10 倍に増やしたカネテツデリカフーズ株式会社、ゲーム愛好家の共感を得ることで、同社の歴代 1 位のゲームスタートユーザーを獲得した株式会社ゲームオン——など目的に応じて YouTube 広告を戦略的に活用し、マーケティング目標を達成した事例が集まりました。
受賞作品の解説動画やファイナリスト作品はこちらからご覧いただけます。
「テレビ CM とはまったく異なる」アプローチで売上拡大につなげた池田模範堂
その中で、池田模範堂は「Small budget, Big results 部門」を受賞。これは、戦略的かつ革新的なアイデアにより、YouTube 広告に投資した金額に対して、より大きな成果を得られた広告作品を表彰する部門です。
池田模範堂は、デリケートエリアのかゆみの治療薬「デリケアエムズ(M's)」のキャンペーンで、Web 限定のアニメシリーズ『股間戦士エムズーン』を展開。コミカルな内容や有名声優の起用、VTuber とのコラボレーションなどで話題を呼びました。
伝統的にテレビ CM を中心としたコミュニケーションを展開してきた同社がなぜ、そしてどのようにして、YouTube を活用した新しい挑戦に踏み切ったのでしょうか。
同社の浜松英一氏(市場開発室リーダー)によると「『夏は股間がかゆくなる』でおなじみのテーマソングに乗せて、デリケートエリアのかゆみの悩みのイメージを変えるテレビ CM を継続して実施してきたものの、20 代〜 30 代にもしっかりとブランドを伝えていくことが課題」でした。
そこで、株式会社電通とキャンペーンを企画。担当した電通の山田和正氏(クリエイティブディレクター)は「YouTube の広告は『おもしろい』と思ってもらえれば、自由に続きを見たり、関連動画を見てもらえる」ことから、「なにこれ、おもしろい。もっと見たい」と思ってもらえる企画として、「テレビ CM とはまったく異なる『股間戦士エムズーン』というアニメ動画広告を実施することにした」と振り返ります。
テレビ CM のコミュニケーションとは切り分け、YouTube で訴求したい 20 代〜 30 代に合わせたコミュニケーションを設計し、コンテンツも開発。それにより「キャンペーン開始後は、SNS 上で拡散され、話題になっていくのを見て、手応えを感じた」と、浜松氏は述べました。
最終的には、キャンペーン期間中の売上が前年比 103.7 % という結果にもつながり、「リーチだけでなく、売上にもつながる YouTube ユーザーのエンゲージメントの高さには驚いた」と振り返ります。
浜松氏は「テレビ CMは、これまでやってきた歴史や経緯もあって、なかなかメッセージやクリエイティブを大きく変えることは難しい」とした上で、低予算でスモールスタートできる YouTube の良さを生かして「今後も当社で新しいコミュニケーションを取り入れるときの、一番最初のトライアルの媒体に YouTube を活用していきたい」とコメントしました。
動画はこちら
2022 年の審査員長は、博報堂の嶋浩一郎氏と Fischer's のシルクロード氏
「YouTube Works Awards Japan 2022」は、2021 年 10 月 6 日に応募を開始しました。
以下の 7 部門を表彰します。
- Best Innovation
- Best Sales Lift
- Best Target Reach
- Creative Effectiveness
- Force for Good
- Performance for Action
- YouTube Creator Collaboration
審査員は、第 1 回に続き、優れたマーケティングやクリエイティビティで業界をリードするクリエイターやマーケター、広告主が担当します。
その審査員の中から、第 2 回の審査員長に就任したのは株式会社博報堂の嶋浩一郎氏(執行役員)と、YouTube クリエイターの「Fischer's」リーダーのシルクロード氏です。
嶋氏は「生活者とブランドが簡単に直接つながれるようになった昨今、生活者を巻き込んでブランドを育てていくコミュニケーションが、増えてきていると感じます」とコメント。「新しいメディアには新しい表現手法が生まれてきます。審査を通じて、未来のコミュニケーション、表現のヒントを見つけて、言語化していきたいと思います。マーケティング目標を達成するために本当に重要なものは何なのか。応募作品を通して、生活者とのつながり方、コンテクストの作り方など、さまざまなキャンペーンに出会えることを楽しみにしています」
シルクロード氏からはこんなメッセージが寄せられました。「Fischer’s は、これまでにたくさんの企業の方々とコラボしてきたのですが、前回の YouTube Works Awards Japan 2021 では、ツインリンクもてぎとのコラボ動画広告で YouTube Creator/Partner Collaboration 部門賞をいただき、とてもうれしく思っています。今回は審査員長として、クリエイターの視点から、みなさまの動画広告を審査させていただきたいと思っています」
Google では、今後も YouTube Works Awards を通じて、応募作品の広告クリエイティブと広告投資効果の両面から素晴らしい作品を広く顕彰することで、広告の新たな発展に貢献していきます。応募の詳細についてはこちらのページをご覧ください。たくさんのご応募をお待ちしています。