ほんの数秒の動画広告がメディアプランの可能性を広げます。 Google 社内のマーケティング チームは、実際に広告を配信し、どのような戦略が最も効果的かつ効率的かを検証しています。 今回は、6 秒動画広告を最初に使用したときの経緯について、YouTube メディア マーケティング マネージャー Grace Sobey にインタビューしました。
Google 社内のマーケティング チームがバンパー広告を初めて利用したのはおよそ 1 年前。どのメンバーも、この新しい広告フォーマットを試すことに非常に意欲的でした。 YouTube メディア マーケティング マネージャーの Grace Sobey は、6 秒動画を中心とするメディアプランに沿って認知度向上キャンペーンを実施しました。
今後、メディア プランナーやマーケティング担当者の皆さんが YouTube キャンペーンに 6 秒広告を取り入れる際、Grace 氏が実施した「バンパーファースト」メディアプランの教訓を役立てていただければと思います。
Think with Google: キャンペーンのメディア戦略において、バンパー広告の役割はどのようなものだったのでしょうか。 Grace Sobey: 私たちは、YouTube クリエイターとそのファンとのユニークな関係を称える #MadeForYou キャンペーンをイギリス向けに作成しました。18 人の新鋭クリエイターと、彼らがポップ カルチャーに及ぼす影響に焦点を当てたものです。
「6 秒広告によって広告想起率が 6.8 ポイント向上しました。長編ヒーロー広告よりはるかに効果的だったことがわかります。」
まず、できるだけ多くのユーザーの目に触れるよう、費用対効果に優れたバンパー広告を使用し、その後、クリエイターの詳しいストーリーを紹介する長編広告を配信しました。
先にバンパー広告を配信することで、広告想起率など、目標達成プロセスの初期段階の指標を向上させようと考えたのです。 インパクトを与えたところで、1 週間後に 30 秒の長編ストーリー広告を配信すれば、認知度アップにつながるはずです。
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最初にバンパー広告、その後で 30 秒広告を配信する戦略は、広告想起率とブランド認知度を高めるというキャンペーン目標にどのように影響しましたか。
6 秒広告によって広告想起率が 6.8 ポイント向上しました。長編ヒーロー広告よりはるかに効果的だったことがわかります。 具体的には、バンパー広告の想起率は 30 秒広告より 30% 高く、費用対効果にも優れているという結果が出ました。 6 秒広告はキャンペーンのリーチ拡大にも役立ちました。広告を視聴したユニーク ユーザーが 240 万人も増えたのです。
「30 秒広告のストーリーを反映したバンパー広告を配信したとき、認知度が特に向上しました。」
ブランド認知度へ影響を比較した場合、バンパー広告単独では 30 秒広告に劣ります。 とはいえ、(長編広告を視聴したユーザーにバンパー広告を配信するなど)リマーケティングを実施して 6 秒広告と 30 秒広告を連携させることで、ブランド認知度の目標を達成することができました。
このように、6 秒広告には、30 秒広告を補強するという効果があります。 最も効果的な組み合わせを見つけるため、さまざまな頻度と順序で広告を配信してみました。 私たちが作成した 28 のクリエイティブの中で、視聴者へのアピール度が最も高かったメディア、つまり認知度の向上に最も貢献したメディアは、「30 秒スポット + 別の 30 秒スポット + 6 秒広告」という組み合わせでした。 このキャンペーンに関しては、30 秒広告のストーリーを反映したバンパー広告を配信したとき、認知度が特に向上しました。
このキャンペーンでは 30 秒広告も重要な役割を果たしていたわけですが、ユーザーを引き付けてスキップされないようにするため、どのような工夫をされましたか。
30 秒 TrueView 広告をスキップするユーザーがいることはわかっていたので、その対策として、キャンペーン広告の再配信を試みると同時に、前回スキップしたユーザー向けに特別な広告クリエイティブを作成しました。
この広告は、YouTube クリエイター Marcus Butler 氏が「Whoa, whoa, whoa!Hold up!(ちょっと待った)」と呼びかける場面から始まっています。 以前はスキップしたユーザーにこの広告を表示し、直接アピールしたところ、ブランド認知度が向上しました。
YouTube Made For You
広告の配信頻度と順序も重要な考慮点です。 このキャンペーンの実行中に新たな疑問が生じたのですが、その時点では解決できませんでした。いつかは検証したいと思っています。 たとえば、さまざまな組み合わせをテストした結果、最も良い結果が得られたのは「30 秒スポット + 30 秒スポット + 6 秒広告」でした。 しかし、後からバンパー広告を表示してメッセージを再アピールするにあたり、30 秒広告をどのくらいの頻度で配信するのが最適なのかはテストしませんでした。 ヒーロー スポット広告を 3 回表示したら、もっと効果的だったかもしれません。 この点については、今後さらにテストする予定です。
今回のキャンペーンでの反省点を 1 つ教えてください。
今後、どのように解決しようと考えていますか。
段階に応じてクリエイティブを最適化していたら、キャンペーン全体でバンパー広告をより印象付けることができたのではないかと思っています。たとえば、初期段階ではユーザーの好奇心を刺激するようなクリエイティブを配信し、その後、30 秒広告を視聴したユーザーには、そのメッセージを反映したクリエイティブを配信するというように。
このキャンペーンでは最初にバンパー広告を使用しましたが、私たちが作成したクリエイティブは、#MadeForYou への興味を喚起したり、好奇心を刺激したり、その後に配信する長編ストーリー広告への期待感を高めたりする要素に欠けていることに気付きました。 30 秒広告で発信したメッセージの再アピールに適したクリエイティブだったのです。長編広告の後にバンパー広告を配信したとき認知度がアップしたのは、おそらくそのためでしょう。
次回は、バンパー広告を配信するタイミングに合わせてクリエイティブを作成するつもりです。 これからもさまざまなテストを実施し、効果的なメディアプランへの理解を深めていきます。