キャンペーンに動画広告を活用することは、一般的になってきました。さらに、ブランディングのみならず、コンバージョンを目的とした活用についても、さまざまなマーケティング施策が展開されています。今回は、オンラインでの申込数を KPI として、YouTube 動画広告を活用し成果を挙げることができた施策を掘り下げます。取り上げる事例は、お客様の具体的な興味や関心に合わせたクリエイティブを配信することにより効果を測定する課題に取り組んだソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)の「ウルトラギガモンスター+(プラス)」です。
購買意欲が高まる 3 つのモーメントに合わせて動画広告を配信
ソフトバンクは、2018 年 9 月 6 日に動画サービスや SNS の利用をパケット消費の対象外とした新しい料金プラン「ウルトラギガモンスター+」をリリースしました。多くのユーザーは、スマートフォンの買い替え時に、通信キャリアやプランを見直します。そこでサービス発表時に、第 1 弾として、新料金プランを訴求する TrueView インストリーム広告を配信、第 2 弾として、iPhone XS、iPhone XS Max(以下、新型 iPhone )の発表時に TrueView インストリーム広告を配信し、サービスの認知と購入意向を高めることを目指しました。さらに第 3 弾となる新型 iPhone の予約受付開始のタイミングでは、見込み顧客の獲得とコンバージョンを促進するための新広告フォーマットであるTrueView アクションを活用しました。
TrueView アクション でターゲティングに寄り添ったクリエイティブを
新型 iPhone の予約受付開始時にTrueView アクション を活用した際には、対象となるユーザー層の興味や関心に寄り添ったクリエイティブを配信することを重視しました。クリエイティブの制作にあたっては、YouTube の ABCDフレームワークを活用しています。
特に今回は、A:Attract「どのような形式であれ、早い段階で視聴者の気を引くこと」と D:Direct「視聴者を次の行動に誘導すること」を重視しました。具体的には、インパクトのある動画の冒頭で、ユーザーの注意を引き付け、オンラインでの予約受付への動線をわかりやすく伝え、利便性を訴求するクリエイティブとすることに注力しました。
また、今回はカスタムインテントオーディエンスの機能を用いて、新型 iPhone の購買意欲の強いであろうユーザー層に広告を配信しました。
コンバージョンリフト調査でわかった動画による申込みへの貢献
TrueView アクション での配信の効果測定として、コンバージョンリフト調査を実施しました。これは、まず最初に広告配信設定は同等のグループを2つ用意し、1 つを今回制作したクリエイティブを配信するテストグループとし、もう1つを広告のターゲットだったユーザーをあえてコントロールグループとする調査モデルです。それぞれのグループが獲得したコンバージョンの差について検証することにより、広告効果を測定します。
今回の調査では、コンバージョンの計測を サイト来訪、予約フォームへの到達、予約申込完了の 3 つのポイントに設定しました。このコンバージョンポイントの合算値を比較したところ、今回新たに制作したクリエイティブに接触したテストグループにおいて、12.2% のコンバージョンアップリフトを確認することができました。コンバージョンポイントごとの比較では、予約申し込み完了のコンバージョンリフトが最も高く、17.0%アップという結果になりました。
この広告展開を率いたソフトバンクの冨田氏は、下記のように語っています。
「TrueView アクション のフォーマットで、対象商品・サービスに興味関心の高い視聴者に即したクリエイティブを配信することで、オンライン上での予約申し込みに寄与することが分かりました。YouTubeをブランド・サービスの認知拡大だけではなく、オンラインでの購入獲得の目的においても有効に活用していくきっかけとなりました。」