これまで Think with Google では、来店効果を高めるために効果的なデジタル広告の事例を数多くご紹介してきました。今回は、555店舗突破記念キャンペーンにおいてチラシと YouTube 動画広告をともに行い、それぞれの投資対効果を検証した IDOM の事例をご紹介します。
YouTube 動画広告で、自動車への関心が高い層の関心を引くことに成功
すでに IDOM は、2013 年末に YouTube 動画広告を開始した段階で、動画広告が来店に寄与した ROI を算出していました。また 2017 年 9 月に YouTube 動画広告で「来店コンバージョン」の計測が可能になってからは、アフィニティ カテゴリで自動車に関心の高いグループを絞り込み、それらのグループに向けて店舗への来店モチベーションを喚起するクリエイティブを配信してきました。
同社はさらに、自動車に関心の高いグループに、店舗数の多さ、全国的な網羅性を自動車関心層に訴求するために新たに555店舗突破記念キャンペーンを実施、その効果を測定しました。
サーチリフトは 200% 以上、平均来店単価はチラシの 16% に
キャンペーンの効果測定として、まず最初に「サーチリフト」を測定しました。過去の事例から、検索回数やサイトへの流入数が増えるのに比例して、来店数も増加することが判明していたため、クリエイティブが終了するタイミングで検索を促すという構成を採用しました。
最終的にこのキャンペーンは、ブランドキーワードのサーチリフトが 202.3% という好調な数字を記録しました。動画広告のクリエイティブがユーザーの興味や関心を引き付けることができたなら、最終的に検索行動に結びつくという仮説を裏付ける結果でした。
これに対し、チラシの平均来店率は下がってきていました。チラシと今回の YouTube 動画広告の平均来店単価(来店単価=リーチ単価 / 動画広告視聴者の来店率)を比較したところ、チラシを 100 とした場合、 YouTube 動画広告はわずか 16 でした。YouTube 動画広告には顕著な投資対効果があり、来店を促すうえで非常に有効であるということを実証できました。
YouTube 動画広告とチラシの平均来店単価比較
その理由としては、店舗へのアクセス圏内にある世帯を対象に配布するチラシと比べ、匿名化された地域・年代・性別などの複数の属性データに加え、アフィニティ カテゴリを参照してターゲットを絞った広告を視聴者に届けることが可能な YouTube 動画広告の特徴が最大限に生かされためと推定できます。
さらに、平均来店単価を軽減できたことに加え、 YouTube 動画広告とチラシのそれぞれのリーチ単価と来店率の比較においても、YouTube 動画広告のほうがより効率的かつ優位であることも確認できました。
IDOMの今後への展望
今回のキャンペーンの手応えについて、IDOM デジタルマーケティングチームの長福和也氏はこう語ります。
「動画の前半でタレントの魅力を最大限に押し出すことでユーザーの関心を強く引きつけ、動画の終盤まで離脱することなく、しっかり目を通してもらえる構成を心がけました。結果的に、高い視聴率を獲得でき、多くのユーザーにメッセージをお届けすることができました。
YouTube 動画広告を活用すれば、従来のチラシよりも平均来店単価を大幅に抑えることができる可能性も見えてきました。今回の555店舗突破記念キャンペーンでは、自動車に関心の高いグループに向けて配信しましたが、さらなる取り組みとして、あえて関心層を絞りすぎず商圏エリアへのリーチを最大化するというアプローチも開始しています。こちらについても、チラシより効率よく来店を促すことができそうな手応えも感じています。今回の一連の取り組みを、今後の YouTube 動画広告のプランニングの材料に役立てていきたいですね」