新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、急速に必要性が問われ始めたテレワーク。オフィス勤務からテレワークへの移行が求められる一方、自宅で仕事をすることになかなか慣れず、モチベーションや集中力を保つことに課題を感じる人も多いようです。子供の相手や家事をしつつリモート会議に出席したり、座り続けて体がなまってきたりなど、意識の散漫や運動不足により、本来のパフォーマンスを発揮できないケースもあることでしょう。
在宅勤務をさらに楽しく健康的に実践するためのヒントを学べるのが、YouTube「#家で一緒にやってみよう」の動画です。これは、YouTube クリエイターやアーティスト、アスリートによる「自宅で楽しく有意義に過ごす方法や提案」の動画をまとめたものです。
以下、YouTube の検索トレンドを参考に、テレワークをより健康的に過ごし、生産性を上げるのに役立つ動画を、4 つの分野に分けて紹介します。
「ポモドーロテクニック」ってなに? 時間管理でテレワークにめりはり
「テレワーク」に関する YouTube 内の検索量は、3 月後半から急カーブを描いて増加しています。
YouTube 内検索動向「テレワーク」
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在宅勤務では、オフィスに比べるとネットワークやデスクなど設備面で環境が劣っていたり、休校で増える家事や生活などの用事も同時にこなさなければならなかったりで、実際はオフィス勤務と同じ状態にはなりません。テレワークについて何かしら知りたいことが出てきている様子が YouTube 検索にも表れています。
「#家で一緒にやってみよう」テレワーク編では、フリーランスや個人事業主といった普段から在宅ワークをしている YouTube クリエイターが、自宅で快適に仕事をするためのコツや工夫、ポイントを紹介。「掃除をする」「デスク回りの環境を整える」といった基本的なコツのほか、お役立ちグッズや、10 分でできるテレビ会議用のメイク術などの動画を集めています。
仕事の生産性アップで悩んでいる人には、「#家で一緒にやってみよう」仕事術編がオススメです。自宅だとだらけがちになる癖を回避するコツや、就寝の習慣を整える工夫などを動画で紹介しています。
なかでもオススメの動画は「自宅作業の生産性が改善!ポモドーロテクニックに3日間取り組んでみた」。時間管理術のひとつである「ポモドーロテクニック」を活用した実践動画です。
ポモドーロテクニックとは、25 分の集中時間と 5 分間の休憩を組み合わせたものを 1 セットとし、作業を進めていくメソッド。この動画では、「リサーチ」という定量的なゴールが見えにくい作業に対し、ポモドーロテクニックを 3 日間適用して発見した気づき、実践の難しさや課題、工夫を丁寧に解説しています。実際にどのような効果があったのか、ぜひ動画でチェックしてみてください。
仕事と生活、時間と空間をどう使い分ける? テレワークと育児の両立を助ける YouTube 動画
学校の休校が長期化する中、リモートでの仕事と家事や育児を両立しなければいけない人にとって、「同居する人への配慮」や「子供の勉強を見ながら仕事もする」といった新しい日常への対応に頭を悩ます声も聞かれます。
外出機会が制限され、非日常の状況下では、自分や家族間のストレスを軽減するための工夫も必要です。フリーアナウンサーの島永吏子さんは、ストレスをためないための 5 つの家族ルールを紹介しています。「1 日の予定を伝え合う」「子供にお手伝いをしてもらう」など、ちょっとしたコミュニケーションで家族間のトラブルを回避できるかもしれません。
YouTube ではその他にも、3 人の子供を育てるワーキングママによる家事や生活のコツ、休校で家にいる小学生のための 1 日のスケジュールづくりなど、すぐに取り組める生活の知恵をたくさん紹介しています。
また、YouTube は、13 歳未満の子供を対象に、より安全かつ簡単に YouTube を楽しむために開発した専用アプリ「YouTube Kids」を提供しています。こうしたアプリを活用し、子供が楽しみながら学ぶ時間を作ることもオススメです。知育に役立つ動画コンテンツも豊富なので、子供たちの好奇心に応え、学びにも役立つ視聴体験が期待できるでしょう。
テレワークでおうちごはん増加、「作り置き」で時短を
外出自粛要請や臨時休校で在宅時間が長くなるにつれ、家事の中でも食事を用意することの負担が増しています。実際、YouTube の検索量を見ると、今年は特に「作り置き」の検索が増えました。調理をまとめることで時間を効率化しながら、健康的な食事をとるために、「作り置き」ニーズが例年以上に高まっていると言えるでしょう。
YouTube 内検索動向「作り置き」
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「#家で一緒にやってみよう」料理編は、YouTube クリエイターが紹介する話題のレシピから、作り置きのおかず、お弁当やおつまみの作り方、時短でできるクイックメニューなどの動画がそろっています。
まず取り上げるのは、「【9品紹介】全部冷凍保存OK! ポン♪といれるだけの楽ちんおかず【作り置き】#179」です。紹介する 9 品は、お弁当のほか普段のおかずにも使え、まとめて作って冷凍保存しておけば使いたい時にサッと用意ができます。鮭フレークやミートボール、きんぴらごぼう、ピーマンの和え物など、バラエティ豊かなメニューで飽きずに楽しめそうです。
ほかにも、1 個 10 円の材料費で、朝食やおやつにで食べられるひと口サイズのパンや、トースターで焼くだけで栄養と満足感の両方を得られ、冷凍保存もできる豪華なごちそうトーストなど、さまざまなレシピを紹介しています。
1 分あれば十分! YouTube でスキマ時間ストレッチ
通勤もなく、気づけばずっとパソコンをにらんで座りっぱなし。ランチは家にあるもので簡単に済ませ、1 日の歩数が 1000 歩未満という人も多いのではないでしょうか。そのような日々を続けていると、肩や腰、目に負荷がかかり、慢性的な倦怠感や不調につながりかねません。
実際、YouTube 上での「肩こり」というキーワードの検索量を過去 3 年分比較すると、今年は例年よりもボリュームが増えているのがわかります。肩こりは慢性的な悩みなので、例年検索ボリュームはそれなりに多いのですが、4 月以降急激に増えたところを見ると、テレワークで肩こりに悩む人が増えているとも考えられます。
YouTube 内検索動向「肩こり」
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「#家で一緒にやってみよう」ストレッチ編は、そんな肩こりや腰痛を軽減し、運動不足を解消するのに役立つ動画集です。簡単でかつ短時間でできるものばかりなので、動画を参考に、仕事の合間にストレッチをしてリフレッシュするのもいいですね。
「簡単1分!肩こりを原因から解消するストレッチ」では、人体の構造から慢性的な肩こりの原因を探り、わずか 1 分のストレッチで根本からこりを解消するストレッチ法を紹介しています。テレワーク中に限らず、肩こりに悩む人はぜひご覧ください。
また「座ってばかりで腰が痛い」という人が、意外と意識していない「座り方」。実は正しい姿勢で座ることで、不快な腰痛を解消できるそうです。「腰痛防止 正しいイスの座り方」では、フェイスタオル 1 枚でできる正しいイスの座り方を学べます。
最後に紹介するのは、現代社会の慢性病と言える眼精疲労の解消に役立つ動画です。眼精疲労の原因は、目の血流が滞り、その周辺が冷えることにあります。「【眼精疲労】目の疲れを一瞬で吹き飛ばす目の温め方!」では、ホットタオルやアイマスクを使わずに、一瞬で目を温める方法をレクチャーしています。道具を使わずにどこでもできるので、目の疲れを感じたら、こまめに試してみるといいでしょう。
──というわけで、作り置きレシピに育児との両立、肩こり解消など、YouTube にあるテレワーク向けのお役立ち情報を紹介してきました。緊急事態宣言の延長も決まり、引き続きテレワークの継続を決めた企業もあるでしょう。こうした動きをきっかけに、テレワークが今後の働き方の選択肢の 1 つになっていくかもしれません。これからも、快適に、そして楽しく健康的にテレワークができるよう、YouTube 上の有益な情報を提供していきます。
Contributor:
アナリティカルリード 斎藤 圭右