ブランドが認知され、商品購入時に検討されるだけではなく、実際に購買意向を高めるためには、どのようなメッセージが効果的なのでしょうか。連載の最終回である今回も、続「6 秒で、気持ちをつかむ」 YouTube バンパー広告のクリエイティブにおける 4 つのポイントをヒントに、ブランド効果測定で購入意向が有意に上昇したバンパー広告 5 例をご紹介します。
シンプルな目的に集中する
商品の購入を促すうえで、商品の特徴を説明する具体的な言語情報が不要な場合もあります。直感的に欲求を刺激して購入意向を高める際に効果的な手法が、「シズル感」の醸成です。マルちゃん正麺は「つい食べたくなる 6 秒動画」というシズル感溢れる 5 本の動画広告を制作。「大人のアーリオ・オーリオ」篇では、ガーリックを炒める香ばしい音と映像ではっとするようなシズル感を演出しています。
時間配分を意識する
ユニ・チャームは、家中まるごと、これ 1 本!ウェーブハンディワイパー 6 秒を配信。テレビ CM で訴求している 30 秒のストーリー型のメッセージの中から、実際に商品を使用しているシーンのみを編集して 6 秒間で再構成して、商品の機能訴求に特化したバンパー広告を制作しました。
テレビ CM など既存のフォーマットから応用する
サントリーは、2017 年春にリニューアルした「ザ・プレミアム・モルツ」のキャンペーンにおいて、テレビ CM とともに、『出会い(イチロー)』篇、『出会い(矢沢)』篇のバンパー広告を配信、その両方が「購入意向」ジャンルにおいて上位にランクインしました。極限まで要素を排したミニマルなグラフィックが、「この春、新しくなった ザ・プレミアム・モルツ」という東山紀之さんによるナレーションとともに、2 人がそれぞれの表情で表現する「美味しさ」を引き立てます。
シリーズ化する
第 1 回の広告想起率でも取り上げた、一連のチョコラ BB シリーズ動画のひとつジョマが「購入意向」にランクイン。一貫して商品パッケージを表示しつつ、弾ける泡を背景に、美少女戦士セーラームーンの主人公、月野うさぎさんの「シュワっとパワーチャージ」というナレーションとアニメーションで視聴者の関心を引きつけています。
全 6 回にわたり、日本の YouTube において、それぞれ「広告想起率」「ブランド認知度」「検索上昇率」「比較検討」「ブランド好意度」「購入意向」の観点から、広告効果の上昇に寄与したバンパー広告の事例を、 4 つのポイントに沿ってご紹介しました。短いバンパー広告は、目的を絞り込むことが重要です。ここで紹介した広告は、いずれも 6 秒という制限を活かすことで、視聴者に強く印象づけることができた動画クリエイティブです。広告制作に役立てていただければ幸いです。