この 3 年間で、生活者は、単にコロナ禍の不確実な状況に対処したり、日常に流されたりするだけではなくなりました。自分はどうありたくて、何ができるのか、自分なりの言葉で再考しています。
海外旅行の規制や健康上の懸念で外出を制限される中、これを機に自分のルーツを見直そうとしてか、自国の文化や伝統に関する検索が急増しました。一方で、人々は自国以外に目を向けていないわけではありません。音楽から料理まで人々が異文化とつながっていることが、検索から見えてきました。
人々は自分の身近なコミュニティとグローバル化した世界でのあり方を再考する中で、どうすれば最も自分らしくいられるかを自問するようになります。その結果、人々は自分の幸福をより重視するようになり、より良い機会を得るために自分を磨くようになります。
これ以下、検索動向に関するすべてのデータは、Googleトレンドにおける 2020 年 9 月 1 日から 2021 年 8 月 31 日 までのデータと、2021 年 9 月 1 日から 2022 年 8 月 31 日までのデータを比較したものです。
文化的アイデンティティ
グローバルにつながりつつ、ローカルに集中する:私たちは、人々の検索における逆説的な傾向に気づきました。グローバルな文化に接したいと望む一方で、自国ならではの伝統文化への関心も高まっているのです。
個人のアイデンティティ
検索の洗練化:人々は自分のアイデンティティをより意識するようになり、より具体的な検索をするようになりました。
セルフケアに注力:たとえば燃え尽き症候群を回避する方法など、セルフケアに関する多様な検索が増えています。東南アジアでの調査では、約 23% がウェルネス、健康、フィットネス、教育などの自己啓発にもっと投資すると回答しています(*1)。
多様なアイデンティティの受容:これまで以上に、人々は多様なライフスタイルを受け入れており、独自のアイデンティティを構築する方法を模索しています。
職業的アイデンティティ
ワークライフバランス:仕事と私生活はどちらも、人生における重要な要素であることには変わりありません。たとえ仕事を辞めることになるとしても、自分にとっての最適なバランスを見つけることを重要視しています。また、よりフレキシブルな働き方を求める人が増えており、世界 30 カ国以上での調査によると、77% がリモートワークを重視し、42% は在宅勤務ができないなら仕事を断ると回答しています(*2)。
スキルアップと起業:ワークライフバランスを見直すのと同様に、人々はスキルアップし、より柔軟な仕事を探し、独立を考えるようになっています。