ヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)版 Think with Google が 2022 年 10 月に公開した記事を基に日本語に翻訳し、編集しました。
Google 検索で最近入力した内容を思い出してみてください。探しているものを正確に説明するために、かなり詳しい表現になっていたのではないでしょうか。検索クエリの文脈や背景を詳しく補足しているのは、あなただけではありません。ここ数年で、検索はますます複雑で微妙なニュアンスの違いを反映したものになってきています。世界中の膨大なデジタル情報を探索するために、人々はより具体的な表現を使うようになっているのです。
こうした傾向は、経済の不確実性が高まる中で(英語)企業が進むべき方向性を示します。予測不可能な人々のニーズの変化は、マーケターが来年の計画を立てる際に、もはや過去のデータや予測だけには頼れなくなっていることを意味しています。生活者の検索意図を理解するためには、検索に隠されたニーズを早期に発見することが重要です。
検索動向は、今何が起きているかを示す貴重なバロメーターで、不確実な時代においても企業の成長を続ける一助になるでしょう。
検索方法はどう変わったか
Google 検索は以前から、新しい用語や時事問題を理解するために使われてきました。しかし、これらを調べる際の検索クエリは変化しています。
検索クエリは通常、「トピック」と、そのトピックについて知りたいことを説明する「修飾語」の 2 つの部分で構成されます。修飾語を補うことで、欲しいと思った情報にたどり着きやすくなるのです。
企業は、この修飾語から、急速に変化する生活者のインサイトを確認できます。修飾語にはトピックに関する人々の気持ちや感情(英語)が見て取れ、そこからニーズの変化をいち早く察知できるのです。
最初のうちは、「インフレ 意味」のように、新しく知った単語の定義を検索するでしょう。そして時間がたつにつれて、このトピックに関して特定の事柄を学ぶために単語を追加し、検索が深まっていきます。
トピックに対する検索数の増減は、ある話題について人々の興味関心が時間とともにどう変化したかを示します。それに対して修飾語からは、人々が今考えていることについての微妙な変化や背景が見て取れるのです。
「サステナビリティ」というトピックを例に、修飾語の変化を見てみましょう。
重要な商戦期に向けて、修飾語から生活者ニーズの変化を捉える
たとえば、ホリデーシーズンのように社会全体で消費が活発になるタイミング(英語)であっても、そこに紐づく修飾語は、商品やカテゴリによって大きく異なることを理解しておかなければいけません。特に経済の不確実性が高い状況下では、消費行動やニーズが従来とは異なる可能性があります。
人々は、商品を調べたり比較したり、予算を決めたりする、買い物の探索段階(英語)において、修飾語を使います。修飾語を用いて、色や形、使う場所といった商品の特徴や、自分自身の特徴を説明するのです。
企業は、修飾語に着目することで、画一的なアプローチ(英語)ではなく、生活者それぞれが自分のニーズや好みに合う商品を見つけられるよう手助けできます。
下図は、英国における「ウエディングドレス」に関する検索クエリの変化を示したものです。
検索動向は、不確実な時代にマーケターを支える
検索動向は、生活者のニーズを理解し、それに応じた広告運用の展開を可能にします。Google 広告の分析情報ページでは、厳選したタイムリーな分析情報を提供しており、ニーズの変化を確認できます。設定したキーワードに関連するトレンドも表示するため、新たに生まれつつあるニーズにも対応できます。詳しくはヘルプページを参照してください。
生活者の関心や意向がニーズに変わるまでには、時間がかかる場合がありますが、Google トレンドなら、より長期にわたって検索の推移を確認できます。トピックや商品カテゴリの検索動向を見ると、目立った変化がなく、新たな需要がないように見えることがあります。しかし、具体的な修飾語の変化に注目すると、関心や需要の変化を見つけ、生活者の意向を早期に発見できるのです。