Think with Google では例年、検索データを基にその年の生活者の姿を捉えてきました。
たとえば 2023 年は、検索量が顕著に伸びたクエリから、人々がアイデンティティを深めようとする姿勢や、今という時間への意識を高めた様子を分析しました。
しかし 2024 年は、検索量の推移からトレンドを確認するのが難しい年でした。量的トレンドが見えにくいこと自体がトレンドだったと言えるかもしれません。
理由の 1 つに、人々が検索をするときに使う表現に変化が見られることが挙げられます。
国内において、2024 年 1 月から 3 月に Google で検索されたクエリを分析すると、4 分の 3 以上のカテゴリで、クエリが前年よりも長くなっていました(*)。検索クエリは、個人の細かなニーズを反映した、具体的で個別化されたものになっているのです。多くの人が自分なりの表現で検索をするようになった結果、ある共通の検索クエリとして量的なトレンドが形成されにくくなっていると考えられます。
では、量的なトレンドが見えにくくなっている中で、人々の意識や行動の変化を捉えるには、何ができるでしょうか。
今回は、2024 年に検索量が伸びたクエリを中心として Google トレンドのデータを基に、生活者の姿を分析。1 本目の記事では、トレンドが見えにくい中でも一定の増加が見られたクエリに着目し、インサイトを読み解きました。また 2 本目の記事では、特定のクエリの前後の検索を見ることで、検索に至った背景や検索に込められた意図を明らかにしました。
Contributor:中川 智貴(データアーキテクト)/斎藤 圭右(アナリティカルリード)