お腹がすいたタイミングで今すぐ食べたいーこれが Uber Eats がフード デリバリーで最も人気のあるサービスの 1 つになった理由です。Uber Eats は、オーストラリアで強いニーズを 2016 年に把握し、最初の 1 年で合計 12 都市にまでサービスを拡大しました。
Uber Eatsは、配達料を支払う余裕のある既存 Uber タクシー配車サービスユーザーを取り込むつもりでしたが、オーストラリアの市場で成長するためには、より多くの顧客を獲得する必要がありました。
最初に、Uber Eats は静止画でのバナー広告の掲載を開始しましたが、更に顧客獲得に効果的なマーケティングを模索していました。
関連性の高いクリエイティブ
次に、シンガポールに本社を置くUber Eats APAC チームがオーストラリアの各都市で最も人気のある料理を反映した広告クリエイティブを配信しました。
四半期ごとの売上データに基づいて常に都市固有のバナー広告を製作するということは、 Uber のAPAC クリエイティブチームにとって、非常に手間のかかるものでした。
さらに、各広告クリエイティブは別のチームが手作業で広告配信していたため、キャンペーンの実施までは長い準備期間が必要でした。
2 つ目のキャンペーンではより良い成果を確認しましたが、Eats チームはより工数を減らしつつ成果を向上する方法を模索していました。
スマートフォンの便利さに慣れた Uber Eats ユーザーは、近くのレストランを検索したりオンラインで注文したりするときに、関連性のある便利なコンテンツをが表示されることを期待します。実際、スマートフォンユーザーの 61 %が、自分のいる場所に合わせて情報をカスタマイズしてくれる携帯サイトやアプリから購入する可能性が高いと答えています (*1)。
Uber Eats が実施した次のキャンペーンでは、リアルタイムの売上データに基づいて関連性の高いクリエイティブを使用するダイナミックバナー広告を Google マーケティング プラットフォーム を活用して制作しました。
動的バナー広告で状況に合わせた料理を案内する
キャンペーンは 16 週間にわたり、5 段階に分けられました。
- 広告クリエイティブの企画:Uber Eats は、アプリユーザーの居場所に基づいて最も人気のある地元のレストランや料理を紹介するバナー広告の配信を決めました
- 売上とレストラン情報の更新:Uber では、売上とレストラン情報をタイムリーに広告配信に反映するため、4 時間ごとに最新の売上データとレストラン情報を自動的に更新する Google スプレッドシートで動的フィードを実行する方法の採用を決めました
- バナー広告の製作:Uber Eats は フィードからのリアルタイムデータに基づいてクリエイティブが自動的に生成されるGoogle マーケティング プラットフォームの一部である スタジオを活用しました
- キャンペーンのトラフィック:バナーは承認プロセスを経てキャンペーン マネージャーが管理・配信し、Uber Eats はキャンペーンをリアルタイムに効果測定及び最適化をすることができます。
- 最適な配信先媒体選定の自動化:メディアチームはオーストラリアの 12 都市で効果的な広告配信先媒体選定を自動化するため、Google マーケティングプラットフォームのディスプレイ&ビデオ 360を使用しました。
バナー広告の運用に当たり、Uber のクリエイティブチームは 2 つのフィードを使用しました。1 つ目のフィードはメッセージング、CTA (Call-to-action、行動喚起)、およびロゴを提供し、2 つ目のフィードはオーストラリアの各都市で人気のレストランから入手した、関連性のある食べ物の画像を表示します。
たとえばシドニーのユーザーには、シドニーで最も人気のあるレストランのリアルタイムの販売データと最新のお得な情報(ランチやディナー特典など)にすべて基づく、個々の生活者に関連性の高い広告が配信されました。
Google マーケティング プラットフォームでクリック率を向上させる
関連性の高い広告配信により、Uber Eats はクリック率を実に 190 %も向上させることができました。さらに、動的バナーのおかげで、手作業で更新しなければならなかったクリエイティブ要素の数が 720 種類からわずか 4 種類に削減されました(手作業は 99 %減少)。これにより、広告クリエイティブ製作やテストに時間がさけるようになりました。
「アートディレクターとして、(このプロセスは)クリエイティブチームが本来時間を割くべき新しい挑戦へと向かわせてくれます」と Uber のアートディレクターである Neville Hew 氏は語ります。
「動的クリエイティブの恩恵は、適切なメッセージを適切なユーザーに自動で配信することで、すべてのユーザーに関連性の高いメッセージを届けることができ、デザイナーも単純作業をする時間を省けることでした」と Uber のAPAC Growth マーケティングマネージャーである Dianchen Yao 氏は語ります。
Uber の APAC 幹部の David Sierra は、「私たちの目標は、近い将来 APAC のようなモバイル優先地域ですべての広告を真にパーソナライズすることです」と述べています。
2018 年 3 月、Uber Eats SEA はシンガポールを拠点とする Grab に売却されました。合併の結果、Uber Eats APAC チームの多くが Grab に参加し、オーストラリアとニュージーランド、日本、韓国、台湾、香港で Uber Eats 事業に引き続き注力 するのは少数の従業員になります。