第 1 回では日本のアプリ利用の特徴をアジア諸国と比較し、第 2 回では日本の利用実態について深掘りしてきました。引き続き 第 3 回では、日本のスマートフォンユーザーが新しいアプリを知る経路や、インストールする際に考慮するポイントについて詳しく見ていきます。
ユーザーが新しいアプリを見つける際の情報源について、2015 年と 2016 年で比較したところ大きな変化が見られました。「 アプリマーケット ( Google Play ストア等 ) 上で検索する 」 という回答が 2015 年から大きく伸び、 2016 年もっとも多くなったのです。ユーザーがアプリマーケット上で新しいアプリを発見する機会が増えてきているのは、マーケット内の検索機能やランキング情報の充実が要因だと思われます。今後のアプリのプロモーションにおいては、アプリマーケット内で検索広告を実施するなど、顧客との接点を拡大 ・ 確保することがますます重要になってきています。
新しいアプリを見つける際の情報源
それでは、アプリのインストールを促す要素を見ていきましょう。ユーザーが新しいアプリをインストールする際に考慮する要素の TOP5 として、「 評価 ( 星の数 ) 」 を筆頭に、「 金額 」、「 レビューコメント 」、「 同様の機能や特徴を有するアプリとの比較 」、「 インストール数 」 の順に並びます。上記のうち 「 評価 ( 星の数 ) 」 、「 金額 」 、「 レビューコメント 」、「 インストール数 」の 4 項目はすべてアプリマーケット上で確認できる情報です。
これらの結果から、ユーザーは Google Play ストアのようなアプリマーケット上の情報をもとに、アプリをインストールするか否かを判断していることがよくわかります。
新しいアプリをインストール際に考慮する点 TOP5
逆に、ユーザーがアプリのインストールをためらうのはどのような理由からでしょう。プライバシーに関しては、 「 決済 ( クレジットカード ) 情報の入力」がトップ、次いで氏名やメールアドレス、住所等など 「 個人情報の入力 」 を要求された場合、インストールを躊躇するという回答がそれぞれ 70% 以上と目立っています。上記に加えて、モバイル端末に登録している 「 連絡先へのアクセス 」 や 「 位置情報の取得 」 、 「 カメラ機能や写真のアルバムへのアクセス 」 、 「 カレンダーへのアクセス 」も同様にインストールをためらう理由として挙がっています。アプリの利便性を高めることを意図して、入力やアクセス権限の許諾を促しているはずが、実はユーザーにインストールを躊躇させる要因となってしまっている可能性は見逃せません。
アプリのインストールをためらう要因
アプリのインストールを促進するためには、アプリのプロモーションを統合的に行いつつ、プライバシーへの配慮が欠かせないことがわかります。そして、前述 したように、すべてのアプリカテゴリーにおいて急速にアプリ利用が高まっていると同時に、アプリをインストールする場所が検索サイト経由からアプリマーケット上へと、この 1 年で大きく変化していることがわかります。インストール数を最大化するためには、あらゆる環境下で、効率的かつ統合的に新規ユーザーを獲得することが求められています。
例えば Google のユニバーサル アプリ キャンペーンなどを活用して、統合的なアプリプロモーションを行うことで、ターゲットとするユーザーに最適な形でアプリを認知してもらい、確実にインストールまで導くという施策は今後いよいよ重要になってくるでしょう。本シリーズの最後には、実際の企業事例も踏まえながら、アプリプロモーションの秘訣について考察します。