ウエルシア薬局とキリンビバレッジが共同販促に取り組んだ背景
デジタルは日本人の生活に浸透し、物販系でも雑貨、家具、インテリアなどの EC 比率は 20% を超えています。一方、飲料については、その商品特性からEC 比率は2.41% にとどまり、販売の多くは実店舗で行われます(*1)。
また、一般的に飲料には販売量に季節性があり、清涼飲料のように水分補給が主目的とされるような商品は夏に販売量が大きくなったり、温かい飲み物のように冬に販売量が大きくなるといった傾向があります(*2)。
キリングループの清涼飲料事業を担うキリンビバレッジでは、ソフトドリンク商品の一つである『キリン サプリ』の冬のマーケティング キャンペーンを検討していた際に、デジタルを活かした店舗送客、冬という季節を活かしてどうやって売上最大化できるかという課題がありました。
一方、ドラッグストアチェーンのウエルシア薬局では、「地域のお客様の豊かな社会生活と健康な暮らしをサポートできる」ことを目標に、少しでもお客様の来店機会を増やすため取扱商品やサービスの幅を広げています。
同社としては、いかに店舗に来て貰える可能性の高い地域の住民に取扱商品やサービスを効果的に訴求するかが鍵でした。
ウエルシア薬局とキリンビバレッジが実施した共同販促施策
上述の様な背景の中、両者、及びそのお客様にとって価値のあるマーケティング施策を議論し、株式会社フェズのサポートを受けて次の施策を実施しました。
ウエルシア薬局とキリンビバレッジの店舗送客を目的とした『キリン サプリ』のオンライン動画広告を配信(下図参照)
- 配信先を『キリン サプリ』の主な顧客層である 25-44 歳男女、 ウエルシアの店舗占有率の高い 15 の県に設定。オンライン動画広告の長所である、広告の関連性を高めることで効果的なマーケティングを狙いました。また、訴求方針は「冬の疲労感に」キリンサプリ、とすることで、冬という季節を理由に効果的な訴求を行いました
動画広告例 ー ウエルシアの店員がキリンサプリを店頭で説明
ウエルシアでは、広告をみて来店したお客様からの販売機会を最大化
在庫切れを防ぐため、広告配信地域での商品在庫を豊富に用意しました。さらに、店頭では、しっかり認識して貰えるよう店頭訴求を強化しました(下図参照)
店頭訴求例ーウエルシア茨城総和店
両社の共同施策の効果を正確に測定するため、①店舗送客効果と②店頭販売への影響の 2 つの観点から効果測定を実施。特に②については、極力広告配信、店頭訴求の有無以外の変動要素を減らして純粋な効果測定を行うため、同じ 12 月に下記の3 種類の効果検証を行いました。
- 施策無し
- 動画広告のみ
- 動画広告+店頭訴求
来店率、来店単価を可視化しただけでなく、売上149%増(対前月比) 128% 増(対前年比)を確認
①店舗送客効果については、来店コンバージョンというソリューションで来店率 13.7%(広告接触後30日間)、来店単価は 41 円ということを可視化することができました(下図参照)。両社では、今回の結果を受けて、更に動画クリエイティブを分析し、店舗送客効果に効果的な改善につなげたいと考えています。
図:来店率と来店単価
②店頭販売ついては、下図の通り今回動画広告を配信した 3 つの商品すべてにおいて、大きな売上拡大効果を確認できました。また、ウエルシアが実施した店頭訴求も大きな相乗効果を上げました。
図:商品別売上高の比較
共同販促を実施した ウエルシア薬局とキリンビバレッジの担当者から
「メーカーとしては、パートナーである流通様、またその先にいるお客様に戦略商品を届けるために良い形でのマーケティングが実施できたと考えています。また、一度お買い求め頂いたお客様のリピート効果もあり、キャンペーン終了後も上昇した売上を維持することができています。」キリンビバレッジ マーケティング本部 木暮氏
「ユーザー様、メーカー様、そして小売と3方良しの施策。季節ニーズに合わせた商品展開を、店外〜店内迄一気通貫でできたのがユーザー様にも好評頂けたのではと考えております」ウエルシア販促部 和田氏