コロナ禍で人の移動が強く制限された 2020 年以来、ようやく私たちのもとに「旅行」という娯楽が戻りました。
今回は、日本やアジア太平洋地域(APAC)における旅行事情について読み解く記事を 3 本紹介します。
1:生活者の旅行意向を調査 —— ひとり時間が旅行の形態に影響、旅行の情報はどう調べてどう使う?
Google Japan では 2022 年秋に、日本の 18 歳 〜 75 歳の 3 万人を対象に、旅行に関する調査を行いました。
過去 1 年間に実際に国内または海外旅行に行った人の割合は、国内旅行で 49%、海外旅行では 3% でしたが、その一方で、今後 1 年以内に国内旅行に行きたいと回答した人は 77%、同じく海外旅行は 32% でした。実際の行動と旅行への意向に大きなギャップがあったことがわかります。
その中でも特に国内旅行に絞って、「過去 1 年間の旅行経験」と「今後 1 年間の旅行意向」の差分を見ると、今後は特に「1 人旅」と「友人・知人との旅行」が大きく増加する可能性があることが見えてきました。
そこで今度は「1 人旅」「友人・知人との旅行」に行きたいと回答した人に着目して、コロナ禍における他人との交流状況を分析しました。
すると「1 人旅」意向者は、家族や友人、職場の人たちとの交流に関して平均との大きな差が見られなかった一方で、「1 人きりで過ごす時間が増えた」割合が平均よりも高いのが特徴的でした。外出自粛などでひとり時間が増えたことにより、以前よりも 1 人で過ごすことへの抵抗がなくなった人々が「1 人旅」を希望するようになったと考えられるかもしれません。
反対に「友人・知人との旅行」を希望する人々は、ひとり時間が増えた結果「友人たちと過ごす時間が減った」と負の側面を感じており、交流の機会を求めて旅行を考えていると推測できます。
その他記事では、生活者が旅行を検討する際に重視する情報源や、入手した情報をどのように活用しているのかについても、調査の回答を基に分析しています。
2:Year in Search トレンド 3:楽しみの発見
旅行熱が盛り上がっているのは日本だけではありません。Google と KANTAR が 2022 年 8 月に日本を含む APAC 6 カ国で行った調査(*1)によると、ほとんどの国で、2022 年の旅行需要が感染症の拡大以前(2019 年)の水準を上回りました。
75% の人が「近い将来にできるだけ多く旅行したい」と回答しており、東南アジアの生活者の 29% は旅行をこれ以上先延ばしにしたくないと答えています。
こうした傾向は、検索動向からも明らかです。
(*2)
同じく Google と KANTAR が実施した別調査(*3)によると、旅行資金を捻出するために、日常生活での節約にも前向きであることがわかりました。多くの人々がやりくりをしながら、積極的に旅行資金を捻出しようとしているのです。
3:Google の「Destination Insights」で旅行の今を明らかに —— 2023 年にアジア太平洋地域で伸びている旅行先は
さて、ここまで見た通り、日本を含めた APAC 全域で旅行への機運が高まっています。旅行会社や関連企業としてはこうした機会を捉えてマーケティングを実施しようとしているでしょう。
しかし、旅行トレンドはテレビ番組やインターネット上の情報、大規模イベントなどに影響されやすく、常に流動的です。だからこそ企業には、その動向を素早くキャッチし、タイミングよく適切な旅行商品を展開することが求められます。
そこで、最新の旅行需要を把握するために活用できるのが、Google が無料で提供している「Destination Insights」です。5 日前時点での検索データに基づいて、各国市場における上位のインバウンドおよびアウトバウンドの旅行先を確認したり、最新の旅行事情をチェックしたりできます。
たとえばシンガポール航空では、データドリブン アトリビューションによる「価値に基づく入札戦略(Value Based Bidding)」を活用してキャンペーンを拡大する際に、Destination Insights の地域別の旅行需要に関するインサイトを参照しました。その情報を基に優先すべき市場を判断して最適化したことで、Web サイトのトラフィックやコンバージョンが増加したのです。
今回は、日本や APAC における旅行動向を捉えるヒントとして、3 本の記事を紹介しました。
コロナ禍を経験し、人々の旅行への思いはこれまで以上に高まっているようです。今こそ旅行の魅力を人々に伝え、再認識してもらう重要な機会だと言えるでしょう。Google では今後も調査を通じて、旅行をめぐるトレンドを探っていきます。
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