モバイルの普及により日本における生活者の意思決定方法が変化しています。生活者が一日を通して検索や意思決定にスマートフォンを使うようになり、企業にとって、生活者とつながる機会がさらに増えています。Google で行った 2000 人以上の回答者と 5 つの業界を網羅した調査で分かった、購入までの道のりにおいて検索が果たす大きな役割をご紹介します。
日本でスマートフォンの普及が急速に進んでいるのは周知の事実です。総務省によると、2016 年時点でスマートフォンの普及率は 72.0%(前年比7.8ポイント増)となり、生活者は、役に立つ情報を見つけることから最寄り店舗の検索、あるいは何か新しいものを学習するためなど、あらゆる目的にスマートフォンを使います。
生活者がスマートフォンを使って前述のような行動を起こす場合、企業はどうのようにその行動の元となる欲求に答えられるのでしょうか?ネット検索から見てみましょう。Kantar TNS との最新調査結果で、購買プロセスにおいて検索が果たす役割について、検索は最も影響力がある情報源であることが分かりました。
Google では、まず 2 つの異なる業界を調査してみました。ベビーケア(繰り返し購入するカテゴリ)と個人金融(クレジットカードおよび個人ローン - 頻繁に購入しないカテゴリ)で、この 2 つに共通する 3 つの重要な生活者トレンドを見出しました。
日本の生活者調査と意思決定の方法における 3 つのインサイト
インサイト 1:生活者が思い浮かぶブランドになることが大事
購買プロセスが始まる時、ベビーケアの買い物客の 94% と個人金融の購入者の 83% は、複数のブランドが候補として頭の中にあります。
インサイト 2:生活者は企業のカテゴリやブランドの情報をネットで積極的に探している
他方、日本の生活者は購買プロセス全体を通じて情報武装し、できる限り最善の判断をしようとします。個人金融のカテゴリにおいて、42% の消費者が購入前に調査しており、ベビーケアカテゴリの 54% の購入者も同じように購入前に調査していました(繰り返し頻繁に購入するカテゴリであることを考えれば、かなり大きな割合です)。
生活者はどこでこの調査を行うのでしょうか?日本の生活者の 10 人に 8 人がオンラインで調査しており、そのほとんどはスマートフォンで行われます。両方のカテゴリでオンラインの情報源の数がオフラインの情報源の数を上回っています。その中でも、検索は調査の入口として大きな役割を果たしています。
インサイト 3:来店前に(そして商品棚の前でさえも)消費者はオンライン調査をする
オンライン調査は、ベビーケアのオフライン売り上げをも促進します。私たちの調査によると、日本のベビーケア商品購入者の 67% がいまだに実店舗での購入を望んでいます。また、そのデータで明らかになったのは、これらの購入客の 39% が、店舗での購入前にオンライン調査を行っていることでした。
店頭で商品を比較している時でも、日本の生活者はスマートフォンで調査しています。私達のデータによると、10 人中 7 人の買い物客が店頭でオンライン調査をしたことがあると回答しています。
オンライン及び検索の重要性
日本の生活者は最適な商品を求めており、オンライン及び検索がその重要な情報源となっています。検索は探しているものを見つける手助けをするだけでなく、人々に新しいアイデアをもたらしたり、新しいブランドを知らせたりします。ここに、購買プロセス全体において検索がどのように人々を手助けするのか、Googleのインサイトを 6 つご紹介します。
1. 「調査」には「検索」が欠かせない
検索は、非常によく使われる情報源であるだけでなく、強い影響力があります。ベビーケア商品購入者の 77%、個人金融商品購入者の 81% が、検索は影響力のある情報源だと感じています。
2. 検索が生活者の好奇心を無限にする
生活者は1回の検索だけでは終わりません。調査しながら何を買うかを決めている間は、納得するまで検索し続けます。両方の商品カテゴリにおいて、生活者は購入するまでに平均 6 回の検索を行っていました。別の言い方をすれば、企業にとっては生活者との接点が 6 回もあるということです。
3. 検索条件には消費者の意向が反映される
生活者は、特定の商品やブランドだけでなく、関心のあるあらゆる情報を得たいものです。敏感肌用のおむつを探しているベビーケアの生活者も、特典が一番良いクレジットカードを調査している個人金融の生活者も、納得して購入や申し込みをしたいと考えています。 購買検討者が行う検索分野は、特徴や価格、レビューなど幅広い分野に対するものであることがわかりました。
4. 検索が意図と行動を結び付ける
検索は、生活者が求めているものを反映しているだけではありません。行動も手助けします。ベビーケア購買者の 13%、個人金融の購買者の 22% にとって、行動とは検索を行ったすぐ後に店舗を訪れることを意味します。生活者の中には即座にネットで購入する人もいます。ベビーケアの買い物客の 29%、個人金融の購入者の 34% は検索したすぐ後に商品を購入します。(ベビーケア で63%、個人金融で 54%の購買検討者は、ネットでの調査をさらに続けます。検索はまた企業のウェブサイトへの橋渡しとしても機能します。
5. 購入までの道のりに沿って検索が重要な役割を果たす
生活者はレジに行くまで検索しています。ベビーケアで 10%、個人金融で 5% の購買者が買う直前まで検索を続けたと回答しています。
調査方法
Google は Kantar TNS オーストラリアと提携し、購入前リサーチに対する態度や購入のきっかけ、情報源、調査プロセスにおけるメディアの利用などを含むユーザー行動についてのインサイトを明らかにするためのカスタムリサーチを行いました。2017 年 3 月に、アジア太平洋 14 か国にわたって 17 の異なる商品カテゴリのバイヤーを対象にオンラインおよびオフラインでの調査が実施されました。この記事には、それらのカテゴリのうちの 2 つの結果が含まれています。(1) 過去 1 ヵ月以内にベビーケア商品をこ購入した 18~64 歳のユーザー 6651 人、および (2) 過去 12 ヵ月以内にクレジットカードもしくは個人ローンを申し込んだ 18~64 歳のユーザー 6412 人です。