新型コロナウイルス感染症の拡大とともに、企業やビジネスパーソンも働き方を模索しています。
そんな中、話題を集めるのが「テレワーク」です。家電量販店や通販サイトでは Web カメラやマイクなどの関連商品の品ぞろえも充実し、需要の高まりもうかがえます。
ところがテレワークで通常のオフィス勤務時のように働くことはなかなか難しく、試行錯誤している人や企業も多いのではないでしょうか。以前からテレワークを通常の働き方の 1 つとして推進してきた Google が、効果的なテレワークの方法を紹介します。
オンオフの“切り替えスイッチ”が重要、集中力を途切れさせないために
テレワークには在宅勤務、モバイルワーク、施設利用型勤務(サテライトオフィスなど)が含まれますが、特に通勤が不要な在宅勤務ではその分効率的に時間を使えます。一方で、オンオフのマインドを切り替えるのが難しいかもしれません。その場合は、特定の部屋やデスクを仕事場として区別し、仕事のときだけそこを使う、といった“切り替えのスイッチ”を設定すると、集中力を持続しやすいでしょう。
明確な始業・終業時間を設けるのも手。特に終業時間の設定は大切です。またテレワークの場合、家族構成や生活スタイルにも左右されます。オフィスとは異なる就業時間を設定したほうが効率的な場合もあり、企業としてもフレキシブルな就業時間設定を検討する必然性が高まっています。
重要なのが休憩時間。テレワークでは会議のときも移動がなく、PC の前でずっと座った状態になりがちです。そこで明確な休憩時間を設けて席を立ち、リフレッシュすることが上手な方法です。YouTube では、運動などを一緒にしようと動画で呼び掛ける「#家で一緒にやってみよう」キャンペーンをスタートし、在宅でできるさまざまなリフレッシュ方法を提案しています。
【#家で一緒にやってみよう】運動編
また、Google ではテレワークをより円滑に進めるために「今すぐはじめるテレワーク」といったハウツー動画やガイドブックを紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
時間と間合いが難しい……ビデオ会議のコツは雑談?
ビデオ会議はリアルの会議室と異なり参加者同士の間合いや雰囲気を感じづらく、通常の会議よりも集中力を要する場合があります。諸説ありますが、集中力の持続時間はおよそ 15 分から 30 分程度(*)とされるため、1 つの会議はなるべく 30 分程度で終えることをおすすめします。
また、会議中に発言を被せてよいか、発言したいときはどうアピールすればよいのか、チームごとにルールを決めておくこともおすすめします。例えば、
- 大人数の時はマイクやビデオをオフにして、発言の時だけオンに。少人数の場合は、多少の被りが生じても積極的に発言する
- 反応がわかりにくい場合もあるので、聞き手は OK などのジェスチャーをカメラごしに伝える
- メインスピーカーが 1 人に対し、聴衆が大人数の場合は、質問タイムを設ける。タイムリーに質問を書き込んでおけるオンラインサービスも併用するとより効果的
といった工夫もスムーズな会議進行に役立つかもしれません。
テレワークでは雑談が少なく、コミュニケーションが減りがちです。ビデオ会議システムを使った短時間の“雑談休憩タイム”を意図的にスケジュールに組み込むことも、コミュニケーションの活性化に効果あり。気分転換による業務効率の改善や人と話すことで視野を広げられるといったメリットも考えられます。例えば、夕方にチームのメンバー同士やチームを越えた親しい人とのコーヒーチャットタイムをスケジュールに入れるのも良いかもしれません。
テレワーク成功の鍵を握る心理的安全性
多くの組織では、仕事の大部分をチームで進めます。以前 Google の研究者たちが「効果的なチームを可能にする条件は何か」を調査した際には、チームの効果を高めるのに最も重要なのは「心理的安全性(サイコロジカル・セーフティー)」を育むことであると結論づけました。
心理的安全性は、一個人が対人関係において、無知やネガティブだと思われる可能性のある行動をしても大丈夫だと思えるかどうか、その認知の仕方を意味します。心理的安全性が高い組織は、チームのメンバーがリスクを取った行動をしたとしても、メンバー相互の信頼が損なわれません。むしろ互いに弱い部分もさらけ出すことで、チーム内の信頼がさらに強まり、クオリティーや生産性の高い仕事へとつながることがわかっています。
現在の不安定な環境下でのテレワークでは、いかにチームの心理的安全性を保つことができるかが、より一層重要です。
チームの心理的安全性を高めるためにマネージャーは、
- 積極的な姿勢を示す
- 理解していることを示す
- 対人関係において相手を受け入れる姿勢を示す
- 意思決定において相手を受け入れる姿勢を示す
- 強情にならない範囲で自信や信念を持つ
などの姿勢を持つことが効果的と言われています。
Google re:Work では、Google をはじめとするさまざまな組織の働き方の先進事例、研究、アイデアを集めています。コミュニケーションが減りがちな今だからこそ、より意識をしたマネジメントを心がけてみてはいかがでしょうか。
オンラインツールを使って効率的なテレワークを
Google 社内では、自社製品の「G Suite」を活用してテレワークを進めています。
ビデオ会議ツールの「Google Meet」は、1 対 1 の会話はもちろん、大人数(法人版では 100 - 250 人)でのビデオ会議が可能で、会話をしながら資料や議事録など参加者の画面も共有できるため、社内や取引関係者とのやり取りにも活用しやすいです。法人版では会議の録画も可能で、参加できなかった人も議事録の代わりに録画データを見返すことができます。
「Google ドキュメント」や「 Google スライド」などでは、複数人が同時に資料の編集ができるので、順番に回覧して修正を加えるなどのプロセスも効率化できます。詳しい使い方はハウツー動画で紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
新型コロナウイルス感染症の影響で働き方が激変する中、テレワークならではのヒントを紹介しました。不安定な環境下で、私たちはどのような働き方を選択し、そして生産性や効率を高めていけるのか。今後もそのための視点やコツをお伝えしていきます。
Contributor:
ブランド マーケティング マネージャー・Grow with Google 統括 山本裕介