US 版 Think with Google が 2024 年 3 月に公開した記事を基に日本語に翻訳し、編集しました。
過去 1 年に見られた計画的な買い物行動(英語)は、決して短期的な傾向ではないようです。人々が買い物に対して慎重によく吟味するようになったのはインフレが一因ですが、それだけではなく、選択肢と情報があふれていることも大きな理由です。
生活者自身が購入する商品や購入する場所にこれまで以上に細心の注意を払っており、ますます複雑化する購買環境の中で、マーケターがどのように生活者の信頼を獲得し、利益を伸ばせるかについて解説します。
複雑化する購買プロセス
今日の買い物体験は決して単純ではありません。画像やテキストといった多様な情報や、オンラインとオフラインのチャネル、さらには商品を見つけてから数日後に調べるといったタイミングのズレなど、さまざまな要素が絡み合っています。
人々が消費に対して熟考するようになったことで、カスタマージャーニーはさらに複雑になりました。2024 年 1 月に日本を含む 26 カ国で調査を行ったところ、生活者の 3 分の 1 が、購入前に以前よりも入念に情報収集するようになったと回答しました(*1)。その目的は、よりお得な商品を見つけるため(48%)、品質を確認するため(47%)、自分のニーズに合っているかどうか確認するため(45%)です(*2)。
こうした下調べのために、生活者は購入を決めるまでに複数の情報源を活用しています。これまで買ったことがないブランドや商品を購入する際に、60% の人は 6 つ以上の行動を取っており、具体的には以下のような例が挙げられます(*3)。
- 類似のブランドや商品の価格を比較する(80%)
- オンラインでレビューや情報を検索する(75%)
- ブランドや商品の公式サイトやアプリを確認する(67%)
- 店頭で商品を確認する(66%)
- EC サイトやマーケットプレイスで情報やレビューを確認する(60%)
- 返品ポリシーを確認する(60%)
なじみのないブランドや商品について調べたいと思うのは当然です。しかし実は、2023 年 10 月から 2024 年 1 月まで 21 カ国を対象にした調査では、過去に購入したことのあるブランドであっても、より確信を持つために初めて購入するブランド以上に多くの情報収集を行う傾向も明らかになりました(*4)。
ブランドに対してどれくらい親しみやすさを感じているかにかかわらず、「価格に見合った価値」(37%)と「品質の高さ」(36%)は、ブランド選択の最も重要な基準になっています(*5)。つまり、既存顧客や長年の顧客もまた、常に他の選択肢を検討している可能性があるということです。
生活者は十分な情報に基づいた意思決定をするために Google を利用している
多くの選択肢がある環境では、顧客自身が最善の選択をしているのだと確信できるようにサポートすることで、他社との差別化を図れます。そのためには、人々が購入を検討している適切なタイミングと場所で存在感を示す必要があります。そして、人々は購入プロセスのあらゆる段階において、Google を利用して購入の意思決定を行ってきました。
- Google 検索を使う人の 40% は、SNS(28%)やオンラインマーケットプレイス(34%)と比べて、Google 検索が情報に基づいた賢い買い物の意思決定に役立つと答えました(*5)。
- 購入のきっかけが他にある場合でも、Google は重要な役割を果たします。たとえば SNS を毎週利用しているオンライン消費者の 70% は、SNS で気になった商品について情報を得たり評価したりするために、Google 検索を使っていると答えました(*6)。
生活者の購入プロセスがますます複雑化する中で、それをうまく切り抜けるのは大変だと感じるかもしれません。しかしこのような状況でこそ、AI が力を発揮します。
マーケターが主導権を握る P-MAX キャンペーン(*7)やデマンド ジェネレーション キャンペーンなどの Google AI ソリューションを活用することで、企業は常に変化を続ける人々の習慣に適応し、あらゆる接点で信頼を築き、利益を伸ばすための戦略を立案できます。次の記事では、Google AI がどのように人々の信頼を醸成し、変化を続ける買い物習慣に適応した戦略立案に役立つかを紹介します。
2024 小売業界向けデジタルマーケティングガイド
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