この記事は 6 章構成の「2022 小売業界向けデジタルマーケティングガイド」の第 6 章です。US 版 Think with Google が 2022 年 3 月に公開した記事を基に日本語に翻訳し、編集しました。
- 第 1 章:調べる、検討する、買う時の Google とのタッチポイント
- 第 2 章:新規顧客を獲得するための広告での打ち手
- 第 3 章: EC での売上を伸ばすためのデータ整備
- 第 4 章:デジタル広告で実店舗に足を運んでもらうには
- 第 5 章:広告管理画面から売上につなげるヒントを得る
- 第 6 章:米国におけるホリデーシーズンの買い物動向から学ぶ(本記事)
米国では、過去にホリデーシーズンに買い物をした人の 40% が、これまでの経験から 2022 年はもっと早い時期に買い物をしようと考えていると回答
この数年、ショッピング需要が高まる 11 月以降年末にかけてのホリデーシーズンは、それほど劇的な需要のピークがなく、以前と比べて長く平坦なショッピング期間になっています。実際 2022 年 1 月の調査では、米国では、ホリデーシーズンに買い物をした人(ホリデーショッパー)の 40% が、これまでのホリデーショッピングの経験から、2022 年は例年よりかなり早い時期に買い物をしようと考えていると答えました(*1)。
人々が EC と実店舗での買い物を組み合わせるようになっている今、ホリデーシーズン向けのオムニチャネル戦略を早期に準備することが、顧客にリーチするために重要になります。
ホリデーシーズンの買い物の早期化、通年化
ホリデーシーズンの買い物のスタートが早まり、期間も数カ月にわたるようになってきています。この傾向は 2022 年のホリデーシーズンも続くと予想されます。2021 年 6 月の時点で、米国の消費者の 31% は、すでにホリデーシーズンの買い物を開始しています(*2)。また 2022 年 1 月の調査では、37% が 2021 年のホリデーシーズンにはもっと早くから買い物を始めておけばよかったと回答しています(*1)。
2021 年のホリデーショッパーの調査
2021 年 6 月の調査で、ホリデーショッパーにとって最も関心のある事項は在庫の問題であることがわかりました。調査対象である米国の消費者の 50% 以上が、商品の在庫切れを避けるためにホリデーシーズンの買い物を早めると答えました(*3)。新型コロナウイルス感染症によるサプライチェーンへの影響がいまだ不透明であることを考慮すると、2022 年のホリデーシーズンにも同様の懸念が発生する可能性があります。
事前にセール価格やプロモーションを事前に準備して、オフピーク時の需要を喚起することが、売り上げの最大化につながります。ホリデーショッパーを早期に引き付けるために、どのようにチャネルを測定するかを確認し、早めに商品とセール情報をアップロードして配送や返品サービスの詳細を明示しましょう。
Google のツールを使って早期のホリデー戦略を準備しましょう
- Google 広告のインサイトページとベストセラー ページで顧客の需要に対応しましょう。
- Promotion(国内未対応)、セール価格、送料無料の迅速な配送オプション、返品に関するポリシーオプションに関する情報を商品リスティングに直接追加して、顧客にあなたのお店で買い物をする理由を与えましょう。
- ビジネスプロフィールを作り、ローカルキャンペーンを実施することで、地元の買い物客とつながりましょう。
オムニチャネルでの買い物がニューノーマルに
第 3 章で見た通り EC と実店舗での買い物の境目がますます曖昧になり、ホリデーショッパーは、オムニチャネルでの買い物を受け入れつつあります。2021 年末のホリデーシーズンには、 EC を利用しなかったのは米国のホリデーショッパーのわずか 4% でした(*4)。
2021 年のホリデーショッパー調査
人々にとって利便性は重要で、どこで、どのように買い物をするかを選択できることを望んでいます。この傾向は Google マップでも見られ、2021 年 8 月末から 10 月にかけての「近くのギフトショップ(gift shops near me)」の検索数は世界全体で 前年比 60% 以上増加しました(*5)。また、EC の利用が多い中でもクリスマス直前になって、近郊のお店に駆け込む人々は多く見られます。
実店舗の在庫、配送や店舗受け取りなどのオプションをオンラインで表示することで、購入体験を可能な限り円滑にしましょう。
オムニチャネルで買い物をする人とつながる
- P-MAX キャンペーンや、ディープリンクを使って、Web やアプリ全体で適切な顧客にリーチしましょう。
- 「Google ショッピング」タブの無料商品リスティングを活用し、ローカル在庫広告を使って購入可能な在庫を宣伝し、Pointy(国内未対応)で在庫商品を直接ビジネス プロフィールに追加しましょう。
ホリデーショッパーはインスピレーションを求めて Google 検索を利用
人々は具体的なプレゼントを決めていないとき、Google 検索からインスピレーションを得ようとします。米国のホリデーショッパーの 43% は、具体的なプレゼントの情報を得るために、64% はプレゼントを見つけるために Google 検索を使ったと答えました(*5)。こうした人にも、検索結果から自分たちの商品や店舗を見つけてもらうことが重要です。
商品や在庫、セールに関する具体的な情報だけでなく、カスタマージャーニーの途上で興味を引き付けるようなインスピレーションを与えるコンテンツも表示しましょう。
カスタマージャーニー中の顧客を引き付ける
- Google 検索、YouTube、Gmail、「ショッピング」タブなど、Google のサービス全体で、適切なタイミングで適切な顧客に商品を宣伝しましょう。スマート ショッピング キャンペーンを使えば、自動入札と広告のプレースメントを通じて、在庫へのアクセスを提供できます。スマート ショッピング キャンペーンは 4 月(日本では 7 月)にP-MAXキャンペーンにアップグレードされます。
- ファインド キャンペーンを使って、YouTube、Discover、Gmail 上の Google のパーソナライズされたフィードを閲覧する買い物客に刺激を与え、エンゲージメントを高めましょう。
- 動画アクション キャンペーンで動画の力を活用して顧客に行動を起こさせ、ブラウジング可能な商品フィードを追加して動画広告の下にベストセラー商品を表示しましょう。
2022 小売業界向けデジタルマーケティングガイド
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