2018 年の世界の広告費は 628.63 億ドルと昨年より 7.8% 成長し、うち、デジタル広告費は 43.5% を占め、2020 年にはデジタル広告費のシェアは 50% ほどになると予想されている。一方、日本では、2018 年デジタル広告費のシェアは 28.3% 、2020 年には 32.0% まで成長すると予測されている。( Global Ad Spending, The eMarketer Forecast for 2018 )
そのようなメディア環境下において、テレビとデジタル動画の組み合わせたメディアプランニングが当たり前というようになってきており、Google ではテレビと YouTube を組み合わせることで効率的にリーチを獲得するためのプランニングツール Extra Reach を提供している。また、キャンペーン実施後のテレビと YouTube の統合リーチを計測する X-media Unique Reach Report (beta 版) によるリーチ検証によって、テレビと YouTube によるリーチを最大化するプランニングからメジャメントまでのフローを推奨しており、すでに日本において 100 案件以上のキャンペーンで活用されている。
今回は、それぞれ異なる目的のキャンペーンで Extra ReachとX-media Unique Reach Report を活用したテレビと YouTube を組み合わせた事例を紹介する。
キリンビバレッジ株式会社
「 YouTube による非テレビ接触層へのリーチを拡大、
購入意向も促進」
キリンビバレッジ株式会社では、缶コーヒー「 FIRE 」 キャンペーンにおいて、テレビでの出稿に YouTube を合わせ、より効率的なリーチ獲得によるブランド訴求を目指して来た。そして過去のキャンペーンの経験から、テレビをあまり視聴しない層の存在を確認しており、そのターゲット層に対するリーチ拡大の必要性を感じていた。
テレビと YouTube でのキャンペーン実施により、テレビ単体でのリーチに加えて +10.3% のインクリメンタルリーチが獲得できたことがわかった。YouTube では、TrueView とバンパー広告を組み合わせて活用したことで、特に 25~34 歳において購入意向が +5.5% 有意な上昇が見られ、全体に対して広告想起率が +53.3% の上昇が見られた。さらに、ブランド関連キーワードの検索においても +19.6% 、クリエイティブ関連キーワードにおいては209.2% のアップリフトが確認された。
「この結果を受け、次回以降のキャンペーンにおいても、 Extra Reach を活用して、テレビと YouTube でのリーチ最大化を図っていきたい。」
木暮 和樹 様(マーケティング本部マーケティング部企画担当 主任)
株式会社バイク王&カンパニー
「20-30 代男性へのリーチコストの大幅な削減に成功」
株式会社バイク王&カンパニーでは、従来、テレビを中心としたマスコミュニケーションを実施していたが、同社で取り扱う中古バイク買取の主な訴求対象は 20-30 代の男性であり、テレビだけではリーチボリュームに課題があると認識していた。そこで、X-media Unique Reach Report にてテレビと YouTube それぞれのリーチと重複リーチの確認とリーチコストの検証を実施した。
20-30 代男性でのリーチ獲得コストは、YouTube がテレビCM の 50% という結果だったことがわかり、社内関係者間においても YouTube の積極的な利用を進めていくための知見を得ることができた。
「企業イメージの浸透として、マスメディアでは「全世代に広く認知されるキャラクター」として松井秀喜さんを起用した テレビ CM を実施しているが、YouTube については今後より 20-30 代への訴求に特化したクリエイティブに挑戦し、同世代への広告到達効果をさらに高めていきたい。既に、いくつか計画しているテスト配信を踏まえて、最終的には、マス広告とオンラインビデオ広告の最適配分の確立を目指していきたいと考えている。」
菊田 正人 様(コンタクトセンター 広告宣伝グループ マネージャー )
日本生命保険相互会社
「20 代男女へのリーチコストの削減と興味喚起を促進」
日本生命保険相互会社は「 Play, Support. 」というキャッチコピーを掲げて、企業ブランドイメージ向上と興味喚起を促すために生命保険のエントリー層、主に20代へのブランド訴求を行なっている。今回のキャンペーンでは、テレビは 15 秒、 YouTube では 60 秒の動画広告で企業ブランドイメージの訴求キャンペーンを実施した。
主に 20 代への到達コストの効率を大幅に改善。ターゲットオーディエンスへのリーチコスト効率は、テレビと比較し約 60% 程度であることがわかり、効率的なリーチ獲得に成功した。また、サーチリフト調査にて、「日本生命」「ニッセイ」といったブランド関連キーワードの検索数において有意なアップリフトが確認がみられ、視聴者に態度変容を促す事が出来た点も効果的であった。
「特に若年層への効率化なリーチの獲得という視点で YouTube 活用を進めているが、期待に応える結果となり満足している。今後は、今回の結果を踏まえ、ターゲティング範囲やその方法について高度化を図って参りたい。」
鈴木 渉 様(個人保険システム部 専門課長 兼オリンピック・パラリンピック推進部 調査役)
クラシエホームプロダクツ株式会社
「 25-44 歳女性へのリーチ拡大とコスト削減、
そして売り上げ +29% を達成」
クラシエホームプロダクツ株式会社では、ボディウォッシュブランドのラメランスのキャンペーン展開において、以前より 25-44 歳の女性に向けてはテレビだけではリーチボリュームに課題があることの認識はあったが、実際に YouTube を組み合わせたリーチ結果の検証ができないことが課題の一つだった。今回、総合リーチの可視化が可能になった X-media Unique Reach Report を活用し、その結果を検証した。
YouTube ではテレビ単体でのリーチに加えて +11.3% のターゲットへのインクリメンタルリーチが獲得でき、またリーチコストは、テレビの 36% と非常に効率が良く到達できていたということがわかった。
さらにブランドリフト調査でも「広告想起」が 99.3% と非常に高くリフトアップしたほか、売上はキャンペーン前週比 +29% と、従来のテレビ CM 中心のキャンペーン時よりもキャンペーン全体の投資額は小さかったにも関わらず、売上には大きなリフトアップが見られ、YouTube がリーチだけでなくブランドや売上へのインパクトも持つことが確認できた。
「テレビで届かないユーザーへ、コスト効率よくリーチできたので満足している」
七森 有貴 様(宣伝・販促部 課長)
「テレビと YouTube リーチコスト効率を明確に比較できたことにより、模索中であるメディアの最適配分の参考になった」
丸山 誉高 様(宣伝・販促部長)