急激に成長するスマートフォンゲーム市場。どのようなユーザーが、どのような目的で遊び、どのようなメディアに日ごろ接触しているのでしょうか。
Google はインテージ株式会社と共同で、日本、韓国、台湾の 3 カ国におけるゲームアプリユーザーに関する調査を実施。その結果を前後編に分けて紹介しています。前編では日本、韓国、台湾の 3 カ国におけるゲームアプリユーザーや、有料ユーザーの割合を紹介しました。後編となる今回は特に有料ユーザーに焦点を当てて、購入金額やその動機、また YouTube 動画広告との相性を 3 カ国それぞれのデータをもとに見ていきます。
3 カ国のゲームアプリユーザーや有料ユーザーの割合、購入金額や動機を調査した前編はこちら
なお、今回の調査データは各メディアおよびアプリ起動などの利用ログ分析とオンラインサーベイの 2 種類の方法で取得しました。台湾では、ログ分析を行えなかったため、オンラインサーベイのみのデータを参照しています。
3 カ国いずれも、有料ユーザーは無料ユーザーよりも YouTube を視聴
続いては、ゲームアプリユーザー(*1)の YouTube の利用動向を確認します。
下のグラフではゲームアプリユーザーを無料ユーザーと有料ユーザーに分けて、それぞれの YouTube 視聴時間を比べました。無料ユーザーの YouTube 視聴時間を 1 とした場合の有料ユーザーの視聴時間を表しています。
図:3 カ国における無料ユーザに対する有料ユーザーの割合
(*2)
日本では有料ユーザーの YouTube 視聴時間は、無料ユーザーと比べて 22% 増。韓国では 74% 増、台湾では 18% 増です。日本と台湾では大差ありませんが、韓国では無料ユーザーに対して 74% も多くの時間、YouTube を利用していることがわかります。
さらにアプリ内での購入額が多いほど、YouTube でゲームプレイ、実況、攻略に関する動画の視聴が伸びているという結果も得られています。
図:日本におけるゲームアプリ有料ユーザーの購入金額とYouTubeでのゲームプレイ、実況、攻略動画の閲覧割合
(*3)
図:韓国におけるゲームアプリ有料ユーザーの購入金額とYouTubeでのゲームプレイ、実況、攻略動画の閲覧割合
(*4)
図:台湾におけるゲームアプリ有料ユーザーの購入金額とYouTubeでのゲームプレイ、実況、攻略動画の閲覧割合
(*5)
YouTube ではゲームアプリの有料ユーザーの約 90% にリーチ可能
上の調査結果から、ゲームアプリユーザー、中でも有料ユーザーは YouTube を活発に利用していることがわかります。そこでさらに分析を重ねたところ、YouTube では大勢のゲームアプリユーザー、有料ユーザーにリーチできることもわかりました。下のグラフは、YouTube広告を配信した際の、1 カ月間のゲームアプリユーザーへのリーチを示しています。特に、有料ユーザーへのリーチ率が極めて高くなっていることがわかります。
図:3 カ国における、ゲームアプリ利用者に対するYouTubeでのリーチ(1 カ月)
(*6)
また、ゲーム利用が活発な M1 層(20 歳から 34 歳の男性)についてみると、日本ではゲームアプリの有料ユーザーのうち、 93% が週に1回以上の頻度で YouTube を視聴しています。また、韓国でも同様に、 M1 層の約 90% が週に1回以上、また約 60% がほぼ毎日(週 6 日以上)YouTube を視聴していることが明らかになっています。
こうした結果を見ても、YouTube は、ゲームアプリユーザーへ効果的にリーチできることがわかります。
最後に、無料ユーザーと有料ユーザーを比較した時に、有料ユーザーの視聴率が際立って高い YouTube コンテンツを分析しました。
すると、「ゲームプレイ、実況、攻略方法」に関するコンテンツは 3 カ国共通で、有料ユーザーが無料ユーザーよりも際立って多く視聴しているジャンルに上がっています。その他、日本では「アニメ」が人気ですが、韓国と台湾では「クリエイター動画」が、さらに台湾では「映画」も有料ユーザーが好むコンテンツだということがわかりました。
図:日本のゲームアプリ有料ユーザーがよく視聴する YouTube のジャンル
(*7)
図:韓国のゲームアプリ有料ユーザーがよく視聴する YouTube のジャンル
(*8)
図:台湾のゲームアプリ有料ユーザーがよく視聴する YouTube のジャンル
(*9)
つまり、ゲームの有料ユーザーに YouTube 動画広告でリーチしたい場合、「ゲームプレイ動画、実況動画、攻略方法」は 3 カ国共通で有効でした。加えて日本では「アニメ、アーティスト・音楽」、韓国や台湾では「クリエイター動画」などが適したジャンルだと言えます。
Google では今後もゲームアプリユーザーに対する理解をさらに深めるための調査を行い、その結果を共有します。
3 カ国のゲームアプリユーザーや有料ユーザーの割合、購入金額や動機を調査した前編はこちら